行きたいのに行けない|子どもの起立性調節障害で悩むお母さまへ

―「サボりじゃない」その苦しさ

まずはあなたに知ってほしいこと ―

 

朝になると体が動かない。

 

頭が痛い、気持ち悪い、ふらついて立てない。

 

起き上がろうとしても起き上がれない。

 

お子さまがそんな状態になると、

お母さまはとても不安になりますよね。

 

「どうしてうちの子だけ…?」

「学校に行かせたいのに行けない」

「甘えているだけなのでは?」

「このままどうなってしまうんだろう…」

 

心の中で何度も何度も自問自答して、

悩み、疲れ、誰にも言えないまま

抱え込んでしまっていませんか?

 

まず、最初にお伝えしたいことがあります。

 

あなたが感じている悩みは、すべて自然なことです。

 

そして、お子さまは“サボって”いるわけではありません。

 

 

◆ 起立性調節障害は「見えないつらさ」

 

起立性調節障害(OD)は、

血圧・心拍・自律神経の調整が

うまくいかなくなる症状です。

 

本人にしか分からない“しんどさ”があり、

周囲からは分かりにくいのが最大の特徴です。

 

朝は特に症状が強く、

 

立ちくらみ

 

頭痛

 

めまい

 

倦怠感

 

吐き気

 

動悸

 

体が起き上がらない

 

こういった症状に襲われます。

 

大人でも耐えられないようなつらさが、

まだ体も心も未成熟な子どもに起きているのです。

 

それでも多くの子どもたちは、

「行かなきゃ…」

「行きたいのに行けない…」

という“罪悪感”まで背負ってしまいます。

 

だからこそ、

責められると余計に苦しくなり、

心まで傷ついてしまうのです。

 

 

◆ お母さまは、責めなくて大丈夫です

起立性調節障害のお子様を持つお母さまからは、

こんな声をよく聞きます。

 

「心が弱いと思われていないか不安」

「周りの子は行けているのに、

なぜうちだけ…と落ち込む」

「学校からの連絡がプレッシャー」

「本音はしんどいのに、

強くあろうとして疲れてしまう」

 

どれも本当に、胸が苦しくなるような思いばかりです。

 

でも、お母さまが悪いわけではありません。

あなたの育て方が原因でもありません。

 

起立性調節障害は

“自律神経のアンバランス”

起こすれっきとした症状です。

心の弱さでも、怠けでもありません。

 

まずは、それをお母さまが認めてあげるだけで、

お子さまの心はずいぶん軽くなります。

 

◆ 「どうしたらいいか分からない」

その気持ちが一番つらいですよね

毎朝のように

「今日はいける?」

「しんどくない?」

「大丈夫?」

と声をかけながら、

お母さまも同じくらいしんどさを

抱えているはずです。

 

“行けたら嬉しい”

“行けなかったら不安”

“頑張らせたくないけど、

休ませたくもない”

 

その葛藤は、お母さま自身の自律神経まで

乱してしまうほど重たいものです。

 

だからこそ、一人で抱えないでください。

 

◆ お子さまは「行きたくない」んじゃない

「行ける体になりたい」と願っている

 

起立性調節障害のお子さまは、

本当は友達と話したいし、

勉強もしたいし、

行事にも参加したいんです。

 

でも、体が言うことを聞かない。

 

行きたい気持ちと、動かない体。

 

このギャップが、一番本人を苦しめています。

 

だからこそ、お母さまがまず

“味方になること”が、

何よりの支えになります。

 

「行けなくても大丈夫だよ」

 

「今日できたことを一緒に喜ぼう」

 

「ゆっくり戻っていけばいいよ」

 

そんな言葉が、お子さまの心を安心させ、

回復の力を引き出します。

 

 

◆ 体を整えることで、

少しずつ良い方向へ向かえる

起立性調節障害は自律神経が大きく関わるため、

背骨の歪みや身体の緊張を整えることで、

症状が改善に向かうケースがあります。

 

体が整うと、

 

朝起きやすくなる

 

頭痛やめまいが減る

 

呼吸がしやすくなる

 

疲れにくくなる

 

気持ちが安定する

 

こうした変化が少しずつ起こります。

 

子どもは大人より回復力が高いので、

身体が整うと改善が早いケースも

珍しくありません。

 

 

◆ お母さまへ

― あなたはもう十分頑張っています ―

 

起立性調節障害を抱える

子どものそばにいるお母さまは、

誰よりも強く、誰よりも優しく、

誰よりも疲れています。

 

それでも毎日、

悩んで、心配して、支えて、励まして…

本当にすごいことです。

 

だからどうか、忘れないでください。

 

あなたは十分頑張っています。

そして、お子さまも十分頑張っています。

 

お母さまとお子さまのペースで、

ゆっくり前に進んでいけますように。

 

もし必要であれば、

身体の面から

サポートをすることもできますので、

これ以上一人で抱え込まないでください。

S.K.カイロワールド